2008/07/19(Sat)
すずめ |
鮮しい経験はここに置いていくんだよ
羽根はいつか静かになって 景色を一度しかなぞれないけど ぼくはなんどでもおまえを祈るから 優しいことだけ 平らかにおまえの深くへと憶えさせて おまえたちは 生きる音を秘したろうそくなんだ 晴れ間をかけめぐるおまえの意志を ぼくは今に掴んで離さない どんなになみだの莫い日でも きっとおまえを思って泣くよ 心底思って泣いてやるよ |
2008/07/15(Tue)
悲鳴 |
異風の少年が虫の屍骸をひろって
夏の真下を駆けて行く 漂っていたおれは 少年になんらかの指標を頼もうと 裸足で跡をつけて行く たどりついた白波の荒い海でおれは 誰かに見せびらかせそうな きれいな形と色の 開きっ放しの貝殻を鞄におさめて回る すると急に少年がむじゃきな笑顔で寄って来て なにか意味不明の言語でおれに訴え出し しかもこちらの困惑を碌に聴く様子もないから 手伝えと言いたいのだとおれは解釈する それから少年がするようにおれも ねばつくような臭いの浜辺に虫の屍骸を並べて見せる 騒がしい波音とはじめての言語で わずかに儀式のような畏れを識りながら おれは自分で自分が気味わるく思われて来る しかしやはり少年が笑いかけるから 仕方なくおれも 苦苦しく左の頬を吊りあげて笑い返してやる 若若しい瞳に未来の卒業をのぞむほど 少年はデカダンな芸術性を既に認めているのだろうか 手前に並び終えた四十不足の屍骸が カシャカシャと潮風に吹かれて おれは寂しさをさんざんつきつけられた挙句に 少年の横で強度の悲鳴をあげる その響きが深海のなにを喚ぶのか おれ自身もわからない 不図おれの腕を掴み歩き出した少年が 隣で屍骸の一体一体を説明する 青い血管が浮き出ているかぼそいその腕で 少年は何者かを失くして来たのにちがいない もしインタープリタがこの場にいて 「兄」や「友」といった日本語を差し出すなら おれはどんななみだを以てこの幼い男を愛せるのだろう 数えて三十八体目 おれに捧げたかったらしい短い単語を発し 少年は愈愈もう笑わない それから最後の屍骸を指差して おれがしたように少年は無惨な悲鳴をあげる 青い悼みを刻んだ二人の腕にしか その名は抱だけないと言えるのだろうか 止どまる潮風 波音 鞄の中から カツャカツャとくぐもり声がする |
2008/07/12(Sat)
電波SONG |
ひどく
星 が 揺れ 電影の少女が 男の頭上で 雨 に な る そのみずたまの 表面に 光彩 は 少女の幼い顔だちとして 映り 観る者の 全てを 則(たちま)ち 掌 握 す る 鈍く 発(はじ)ける 男の 嘘 が 少女の口を 創り その口が囁く 廉水(やす)っぽい 日(と) 日(き) の 中 に 男の暗い音(ね)は 封(と) じ 込 め ら れ て い く |
2008/07/07(Mon)
mbdktnbt |
![]() |
2008/07/06(Sun)
季に映る雪月花-01 |
![]() 左が翠夏(みか)ちゃん 右が春花(はるか)ちゃん みそた著「季に映る雪月花」より |


